- ごあいさつ -
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
弊社は平成30年に創業し、今年で早8期目を迎えます。
10期目という法人にとって節目の年にまた一つ近づくことができたことは一重に皆さまからの多大なご理解ご支援があったからに他なりません。改めて感謝申し上げます。
さて話題は少し弊社から離れ、広く世間に目を向けると、日本のみならず世界は景気後退の局面を迎え、物価高騰や不況にあえぐ年が続き、近年は幾ばくかの閉塞感と停滞感が人々の間で漂っていることは残念ながら論を俟たないことと言えます。
さらに私たちが関わらせていただいている日本国内の障がい児・者の分野にフォーカスすると5年前に比べ、障がいを抱えた方の総数は24.3%も増加し、発達障がいの限定的分野ではその数は56.6%も増加しました。
人種や老若男女を問わず中々に「未来」や「希望」といった明るい話題を想像することは困難な時代とも言えることでしょう。
誤解を恐れずに申し上げればこの現状を打破し、閉塞感と停滞感を迅速に回復する特効薬など存在することはなく、お子さま方がこれから生きていく時代と大海に負の尾びれを残すことになります。この事実を認めざるを得ないことはこの時代を生きる一大人として口惜しく、臍を嚙む思いを堪えません。
しかし認めて何もせず看過することと、認めつつもやるべきことを模索し、藻掻き続けることは雲泥万里です。
ではこのような時代に私たちがやるべきこととは何でしょうか。
それは「お子さま方がどんな時代でも自分の可能性を信じて前に進み続ける強い自信とチカラを養い、自分の可能性を具現化することができる環境と地域を構築すること」だと考えています。
私自身、「障害(Handicap)」という表現はあまり好きではありません。
お子さま方が「障害」として認定されているもの、それは一人として同じものはなく、他の誰にもない特性であり、個性であり、可能性です。
先述した障がいを抱えた方の総数の増加は障がいを持って生を受けた方が増加したのではなく、現代は多様性(Diversity)の時代と言われ、一人ひとりの個性や考え方が尊重される風潮にあり、それが故にこれまで不明瞭であった特性を自身で受け入れた人々が露呈した数によるものというポジティブな一面を見る分析もあります。
しかしながらまだまだ障がいはその程度や特性を一曲端にされてしまいがちで正しく認知されてはおらず、「障害」というイメージから繋がる「悪意の無い潜在的な偏見」が世の中に色濃くあることは事実です。
この「悪意の無い潜在的な偏見」を撤廃するために、まずはお子さま方が生きていくこの地域で障がいへの理解を深める機会の創出と偏見なく平等にお子さま方が受け入れられる価値観の輪を拡大し、真の意味でお子さま方が手を取り合って共存していく環境と地域の構築を行うことが私たちの責務であると確信しております。
弊社はこの想いを紡ぎ、少しでも拓けた未来への可能性を残すために今できることをあらゆる角度から模索し続け、全職員一丸となってその実現に誠心誠意取り組んでまいります。
今後とも変わらぬご理解ご支援を賜りますようよろしくお願いいたします。
令和7年5月1日